マイノリティライフ

ジャニーズが好きで、FtMで、コミュ障大学生

海の仙人 絲山秋子

僕は普段小説を読みません。

実用書のような役に立ちそうな本ばかり読んでしまいます。しかし、小説は実用書と違って、心に何かを感じさせてくれるものだと思い出させてくれました。

 

この本は、文章が美しい。風景が頭に思い浮かぶのに、強く主張せず、ただ優しく包み込むように現れます。美しい一枚の布に描かれた絵のように、繊細で綺麗で、でも柔らかさを持って、主人公の過ごす時間を伝えてくれます。

『海の仙人』は、敦賀の近くに住む河野という男の話です。海のある街で生活する河野の話ですから、海は常に河野とともにあります。

月並みですが、「生きること」とはなんなのか、考えます。人間生きていれば、どうしてもいろんなものを抱えている。でも、それもそれで悪くないのかもしれない。不器用な人の不器用な生き方、それもそれでいいのかもしれない。

自分なりに生きること、つまずくこと、関わらなければいけない社会。そういうものを全部、海とファンタジーが包んでくれるお話だと思いました。

海のそばで生きてみたいと思えるお話です。

 

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

 

 

 

『海の仙人』という本は、友人に勧められて読み始めました。

僕は海が好きで、休みの日に一人で浜辺を2〜3時間歩いたりします。浜辺に流れるゆったりした時間が好きなんです。浜辺には、海が好きな人が集まります。都会から離れ、趣味や家族の時間を楽しんで、ゆったりと過ごす人が昼寝しています。僕は、広く爽やかな青と、波の音と、頬を撫でる風と、そこに流れる時間が好きです。海が好きだ。やっぱりいつか、海のそばで暮らしたいと思います。